2008年卒で群馬工業高等専門学校(通称 群馬高専)の電子情報工学科を卒業しました。
振り返ると群馬高専を卒業してよかったなと思えることがたくさんあるのですが、ふと中学でお世話になった先生から
「(生徒に教えたいから)群馬高専の授業内容、進路、適正などを教えて!」
と久しぶりに連絡があり、いい機会なので群馬高専での学生生活を振り返ってみたいと思います。
高専への進学を考えているという人にはぜひオススメしたいと思うので、興味を持っている方に読んでいただけたら幸いです。
目次
書き手の経歴
高専と聞くとエンジニアや技術者など専門職に就いている人が多いはずですが、わたしはまったく違う畑で働いています。
2008年~ 福島大学共生システム理工学類人間支援専攻
2010年~ 某DPE大手企業(写真関係のビジネス) 営業
2012年~(現在に至る) ソーシャルアパートメントを運営するグローバルエージェンツ 営業
職種は営業ですが、グローバルエージェンツに入社してからはベンチャー企業ということもあり、マンション運営に関するさまざまな業務を経験してきました。
直近ではウェブマーケティング、SNSの運営、ウェブサイトの運営、社内システム管理など情報技術系の仕事をさせてもらっています。
高専を卒業して技術系に就職していないなら高専卒の意味ないじゃんという経歴ですが、実は高専での経験が色々と役立っているという業務内容です。
そもそも高専とは
高専=高等専門学校、5年制の一貫教育で専門性の高い技術者を養成することに長けた学校です。
一般的に高等教育は3年ですが、5年間の一貫教育を行うことでより高い専門性を身に付けることができます。卒業後は短大卒という扱いです。
高等専門学校は実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関です。全国に国公私立合わせて57校あり、全体で約6万人の学生が学んでいます。
特色1 5年一貫教育
文部科学省HPより
特色2 実験・実習を重視した専門教育
特色3 ロボットコンテスト、プログラミングコンテスト、デザインコンペティション等の全国大会開催
特色4 卒業生には産業界からの高い評価
特色5 卒業後、更に高度な技術教育を受けるための専攻科(2年間)を設置
なぜ高専を選んだか
中学生のわたし。
とくにやりたいこともなく打ち込んでいたこともなく、進路で考えていたことは
「(なんとなく)みんなと一緒は嫌だ」
というふわっとした感情のみ(笑)
みんなが普通校を選ぶなか、ちょっと違った進路を選びたいということで当時の担任が紹介してくれました。
・自由な校風
・進学する人の割合が少ない(ほかの人と違うというただの勘違いw)
・これからIT系がくるだろう(くる?ふわっとしてるw)
そんな浅い理由から群馬高専への進学を決めます。
卒業して思う高専の特徴
雰囲気
高校というよりは大学の雰囲気をイメージしたほうが近いと思います。(ただキャンパスライフという表現では決してない)
制服がなかったり、校則がなかったり(一応あるかも)と自由な校風であるがゆえ、入学のタイミングから髪を染めている人がいたり、アルバイトをしていたり、バイク通学していたりと比較的自由な雰囲気でした。
通う学生たちは一般的な認識通りオタク系の人が圧倒的に多く、「オタクっぽいね」と言われそうな人たちの存在が目立ちます。
なかには高専生っぽくないイケてる人(死語)もいてチャラチャラした雰囲気(高専生は根が真面目な印象)のグループもありますが、それでも普通校に比べると女子生徒も少なくオタクっぽい集団が形成されているのではないでしょうか。
かくいうわたしも自分ではオタクではないと思っていましたが、傍から見るとオタクっぽいのかもしれません(笑)
授業内容
授業内容は一般教科もありますが、それぞれの学科で専門性の高い授業も平行して行われます。
わたしは電子情報工学科というIT系の科だったので、プログラミングやコンピュータの仕組みなどについて学んでいました。
専攻する科によってカリキュラムが異なるので、まさに大学のような授業構成です。
適性、どんな人に向いているか
どんな人なんでしょう、、
わたしの場合、「みんなと一緒の進路は嫌だ」みたいな理由で選んでしまったので「ちょっと斜に構えた人」がいいのでしょうか…
そもそもわたしが向いていたかも判断しかねますが、高校生の段階で「自由と責任」を問われることになるので、その辺の考えをしっかりできる人とか…
いやでも、当時を振り返ってそんなこと考えていなかったと思うので、専門性が高い授業に興味がある人に向いているかもしれません。
とりあえず高専受験に向けてめちゃくちゃ勉強しました。
高専を卒業してよかった理由
就職、進学(=編入)に強い
高専は就職に強いとよく言われますが、実際に就職には強いと思います。
業務に活かせるかはさておき、普通校では学べない専門性の高いカリキュラムをこなしている学生とみなされるので、企業からは重宝されるようです。
同級生たちも名だたる企業で活躍している人が多い気がします。
また国立大への編入がしやすいということも特徴的。
※群馬高専の場合なのでほかの高専は要確認。
センター試験を経ての国立大入学はライバルも多く激戦なわけですが、高専から国立大への3年次編入は比較的しやすいと言われています。
かくいうわたしも勉強が得意というわけではなかったですが、福島大学に編入することができました。
※情報系は合わないとか言って、千葉大学のデザイン学科や首都大学東京の経営学科、広島大学の心理学科など畑違いの血迷ったところを受験してかすることなく落ちたことは内緒です(笑)
ITや技術用語に対してアレルギーがなくなる
これは社会人になってからよかったなと実感することが多かったです。
高校1年生のころから授業でプログラミングをしたり、ワケの分からない技術用語に触れていたわけですから比較的そういったモノに対するアレルギーがなくなっていると思います。
最近は仕事をするうえでITは切り離せません。
ちょっとアレルギーがないだけで、いろんなウェブ上のサービスを使えたり応用効かせたりと仕事の幅が圧倒的に広がるので、そういったアレルギーがなくなっている点はよかったことかと。
※「PCにインストールする」という作業自体に対してどうしていいものかとアレルギーを持つ人もたくさんいる。
論理的思考が強化された
高専生は理系文系の軸で分けると圧倒的に理系。
卵が先か鶏が先かと同様、論理的思考があったから高専に受かったのか、高専で論理的思考が強化されたのか定かではありませんが、カリキュラムの過程で間違いなく論理的思考が鍛えられていたんだろうと思います。
仕事をする上で論理的思考は当たり前のように求められるので、当時無意識だったとしても学生時代の経験が役立っています。
とはいえ、いきなり仕事で通用しませんでしたが(笑)
高専を選ぶ上での注意点
良くも悪くも5年制
確か制度が変わっていまは違うと思いますが、当時は5年間ずっと同じクラスでした。
今でこそ高専を卒業してよかったなと思いますが、当時はほかの高校のようにクラス替えあったらいいなと思ったり、ほかの専門の授業も興味あるなと思ったりと、変化を求めていた気がします。
自由と責任が高校生から求められる
高専は比較的校風が自由です。
とはいえ、よく言われるように自由と責任は紙一重で自由であるからには自身の行動に責任が伴います。
高専は比較的留年しやすいという話を聞いたことありますが、確かに40人のクラスで2,3人は毎年留年が出ていました。
自由を謳歌しすぎるといつの間にか留年してしまったりというパターンもあるあるだと思うので、押さえるべきポイントはちゃんと押さえられるようにしておいたほうがいいと思います。
我が子にも高専進学を勧めたい(笑)
わたしの経験談となりますが、高専を卒業してよかったと思うことがほかにもたくさんあります。
当時はまったく気づかなかったですが、比較的高いレベルの授業を受けさせてもらっていたんだなということが社会人になってよく分かりました。
群馬高専の場合は国立なので授業料も安いですしね。
そんな高専での体験を知っているからこそ、我が子にも興味をもっていたらぜひ勧めたいなと(笑)
もちろん興味を持っていたらのはなし。
これからの時代、専門性や技術力は最低限の欠かせないスキルになってくると思うので、早いうちからそのような情報に触れることができる環境に身を置くことはポジティブかと思っています。
※ちなみに今後必至スキルとされる英語に関して高専生は比較的弱い…