5年間計3棟のソーシャルアパートメントに住んで感じたメリット・デメリット

近年注目を集めるソーシャルアパートメント(以下SA)という住まい方はご存知でしょうか。

SAはシェアハウスとひとり暮らしのいいとこ取りをした新しいライフスタイルとして、注目を集めている住まい方です。

わたしもSAに興味を持ち、結果的に5年間で計3棟のSA暮らしを経験することになりました。

シェアハウスよりソーシャルアパートメントを選んだ理由

マンション内での人付き合いはあった方がいいけど、お互いが干渉しすぎな暮らしもめんどくさいという方にぴったりな暮らしなので、まだ体験したことのない方はぜひ選択肢に加えてほしいなと思います。

本記事では、5年間のSA暮らしの中で感じたメリットとデメリットをご紹介したいと思います。

目次

ソーシャルアパートメントとは

画像出典:公式サイト

株式会社グローバルエージェンツが運営する隣人交流型賃貸マンションの名称です。

首都圏中心に43棟約2,500室(2019年8月時点)を展開しており、北海道や関西地方にも展開しています。主にミレニアル世代と呼ばれる20代30代の社会人をターゲットにしており、幅広い世代が暮らすマンションです。

シェアハウスは楽しそうだけど、自分の時間や空間はマンション並に確保したいという方向けの新しい一人暮らしのスタイル。プライバシーを守りながら、入居者同士が集う共用ラウンジでコミュニケーションを楽しむのがソーシャルアパートメントの醍醐味です。
シェアハウスでは実現できない居住空間にぜひ触れてみてください。

公式サイトより

シェアハウス = 楽しそうだけど、人間関係などめんどくさそう
ひとり暮らし = 自由だけど、寂しいし不安もある

このシェアハウスとひとり暮らしのいいとこ取りをした暮らしがSAで実現できる暮らしであり、「プライベート」を確保しつつ、マンション内での「コミュニティ」も楽しめる理想的な暮らしだと思います。

住んだことのあるソーシャルアパートメント

ソーシャルアパートメント中河原のラウンジ
画像出典:公式サイト

わたしは下記の期間でSAに住んでいました。

2012年1月~2012年8月 55世帯 ジェアイムズコート浅草
2012年8月~2014年4月 32世帯 ソーシャルアパートメント中河原
2015年10月~2019年1月 84世帯 OTOWA神戸元町

物件によってハード的な違いや地域の雰囲気などの個性はありますが、総じて生涯付き合える知人に恵まれることができ、充実した暮らしができました。

OTOWA神戸元町では、最初の1年間は単身でしたが、最後の約2年間は夫婦で住んでいたのでそちらのことは別記事で書いています。

ソーシャルアパートメントに住んでメリットに感じたこと

快適なひとり暮らしができた

OTOWA神戸元町で住んでいた部屋
画像出典:公式サイト

快適な暮らしができるか否か。住まいを選ぶ上で1番重要なことです。

快適な暮らし
・部屋の設備面でストレスになるような不満がない状態
・隣人関係のトラブルがない状態
・暮らしの中で「嫌だな」と思うことがない状態

と捉えたとき、わたしの基準で要因を害することは特になく、文字通り5年間快適に暮らすことができました。

ハード面ソフト面ともに困ったことや不安に思うことは特になかったですし、さらに友達や付き合う人も増えてそれこそ運営企業が謳う「ひとり暮らし+α」を実体験することができました。

付き合う人の幅が広がった

SAのような「コミュニティのある暮らし」に興味を持つ人は、さまざまな職業やバックグラウンドを持つ人が自然に集まります。

50世帯以上の大型マンションが多いので、84世帯であれば84人の職業やバックグラウンドと交わる機会があると捉えても大げさではありません。

入居当時は、街の写真屋さんで働いていましたが、それこそ付き合う人たちは同僚や似た業種の人たちと限定的。

住まいをSAに移してからは、


医師/弁護士/カメラマン/看護師/オペラ歌手/探偵/プログラマー/ライフプランナー/公務員/地域コーディネーター/商社マン/モデル/俳優/TV制作/公認会計士/起業家/教師/ラッパー/ウエディングプランナー/性教育の先生/店長/バーテンダー/DJ/ノマドワーカー/ブロガー


などなど、挙げきれないほどの人たちと交わる機会に恵まれました。自分が憧れていた職業、職場、体験などをリアルに聞くことができ、文字通り世界が広がる体験に。

SAで関わった人を辿れば、それこそどんな人にも辿りつけるのではと錯覚するほど、交友関係は広がったと思います。

ちょっと贅沢な暮らし体験ができた

OTOWA神戸元町のラウンジ
画像出典:公式サイト

80インチの大型テレビ、ホテルのロビーのような空間、映画館さながらのシアターなど、普通にひとり暮らしをしていたら体験できないようなモノコトに触れる機会に恵まれました。

「このソファは200万するよ」
「この空間だけで1,000万の工事費が掛かっています」
「このトースターは3万くらいで感動的なトースター体験ができます」

そんな会話を営業担当の方から聞けるような空間です。

お部屋の家賃は、一般的な賃貸より少し高いくらいの価格設定ですが、揃っている空間設備がとても個人で賄える代物ではありません。

人生の選択を考えるうえで可能性が広がった

SAに集まってくる人は、暮らしや働き方などいわゆるライフスタイルに関心の高い人が多いように思います。そんな人たちと付き合っていると、自然と暮らし方や働き方を考える機会が増えました。

そういった情報にアンテナを張っている人も多いので、そんな人たちとSNSも含めて繋がっていると、自然と情報が集まります。

「こんな暮らし方をしている人がいるのか」
「こんな働き方ができるんだ」
「こんな暮らしができたら理想的だ」

夫婦で1年間の育休を取得、里帰りして子育てしたいという発想もSAを通して得た情報などが組み合わさって発想されたように思います。

「これやってみたい!」が実現できた

バウムクーヘン博覧会@OTOWA神戸元町

部屋ツアー
同じ間取りの部屋巡りをする企画。同じ間取りなのに、住んでいる人によって部屋のテイストが本当に違っておもしろい。

食べ比べ、飲み比べシリーズ
一人一本オススメの日本酒を持ち寄る、一人一個ご当地のお土産を持ち寄るなどなど、一人一品持ち寄ることで食べ比べ、飲み比べが気軽に実現します。

バスツアー
みんな帰る場所は同じということで、物件に大型バスを手配してのバスツアー。行き先も帰る先も一緒で、快適なバスツアーを楽しめます。

などなど、「一度はこれやってみたい!」が実現します。好奇心旺盛な人が多いので、これやってみたいとなれば、やってみよう!となることが多いです。

何より住んでいる場所が同じ。仕事帰りにラウンジにちょっと集まってミーティングすればすぐに企画モノは動き始めます。

ソーシャルアパートメントに住んでデメリットに感じたこと

ラウンジでのイベントのワンシーン

“贅沢”に慣れてしまう

「鍋パーティーに特別感を感じなくなってしまった…」

あるとき、そんな理由でSAを退去し、ひとり暮らしに戻ったことがあります。ちなみに中河原と神戸の間の期間です。

SAに住んでいると、日常的にご飯を一緒にしたり、遊びに出かけたりする機会が自然と増えます。同じ屋根の下に住んでいるので、グループLINEで、「今日鍋する人ー?」と流れれば、簡単に人が集まって鍋パーティーができてしまうのです。

ひとり暮らしをしていたときは、それこそ鍋パーティーというだけで特別な企画でした。数ヶ月前から知人と予定を合わせ、当日は昼間から買い出し、準備を楽しみ、深夜までワイワイ鍋とお酒を囲う。

人とは贅沢なもので、やりたいことが簡単に実現できるようになってくると物足りなさや虚無感を感じるようになってきます。

友達と鍋を囲う、そんな特別で贅沢な時間に物足りなさを感じてしまったとき、このままではよくないなと思い、退去を決めました。

楽しすぎて日常に支障が出る

中河原に住んだときは、オープニングだったので、それこそ毎日のように深夜までラウンジで遊び呆けていました。人狼ゲームが流行った時期だったので、「今日人狼やる人ー」の誘惑に勝てず、それこそ朝方まで人狼ゲームって日が何日も…

楽しいかけがえのない日々でしたが、自堕落な時期でもあったなと(汗)

そんな時期が続くわけないので、そのときばかりはとことん楽しんでもいいと思いますが、ある程度自分でバランス取れるとよりよい暮らしに繋がると思います。

デメリットだと思ったけどそうでもなかったこと

初めてのイベント参加時などはいつもドキドキ…

ひとり暮らしに戻れなくなる?

よく聞く話として、SAやシェアハウスの暮らしが快適、安心、楽しすぎてひとり暮らしに戻れないという話を聞くことがありますがそんなことはありませんでした。

一度ひとり暮らしに戻ったときも、寂しさや物足りなさを感じることはありましたが、そんな状況に陥ると自然に外にエネルギーが向かいます。

友達に会いに行ったり、地域の催しに参加したり、街で馴染みのお店を作ったり。違った楽しみ方を見いだせるようになっていたので、全く問題ありませんでした。

人間関係でトラブルになる?

人間関係のトラブルに巻き込まれることはありませんでした。

人間関係のトラブルは、元も子もないですが事故的な要素が強いように思います。どこのコミュニティに属してもあるときはあるし、ないときはないです。

SAの場合、コミュニケーションを強制されるわけではないので、関わりたくなかったら自分の部屋で生活すればいいだけの話です。

可能性の話でいえば、入居時に運営会社のほうで入居審査をしてくれているので、一般賃貸よりも安心感は高いかと思います。

シェアハウスのトラブルを解消したソーシャルアパートメントの仕組み①

コミュニティに馴染めない?

コミュニティに馴染めるかどうか、この問題は確かにタイミングや個人のキャラクターに依存する問題かなと思います。

ラウンジに頻繁に顔を出す、ラウンジで過ごす時間を増やす、会った人には積極的に挨拶をするなど、能動的な心がけをすると杞憂に終わりますが、受動的な関わり方だと馴染めないケースも出てくる気がします。

わたしの場合、能動的にコミュニティに関わるようにしたので、馴染めないということはなかったですが、既に出来上がっているコミュニティに入っていく場合、ある程度能動的なアクションが必要です。

自分は受動的なタイプだという方は、オープニングの物件などが馴染みやすいかなと思います。

こんな人にオススメ

お店を貸し切って音楽あり、映像ありのパーティーでのワンシーン

わたしの体験としては、SAに住まいを移しただけで、快適かつかけがいのない交友関係に恵まれました。ひとり暮らしをしていただけでは絶対に交わることのなかった人たちです。

□快適なひとり暮らしをしたい
□普通のひとり暮らしに物足りなさを感じる
□会社と自宅の往復生活に飽きた
□交友関係を広げたい
□適度な距離感で付き合える人が身近にいて欲しい
□ちょっと贅沢な空間で日常を過ごしてみたい

一つでも当てはまる人にはピッタリな暮らしかなと思います。所詮賃貸なので、合わなかったら引っ越しをすることができるところもメリットです。

まだ体験したことないという方は、ぜひお試しの感覚で住んでみることをオススメします。

ソーシャルアパートメント: https://www.social-apartment.com/